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熊野古道を歩く その3

祓戸王子で身を清めたあとは、いよいよ、熊野本宮大社にお参りします。
私たちは発心門王子から歩いて熊野本宮大社へ行ったので
正面の大鳥居からではなく、裏の鳥居から入りました。

熊野古道を歩く その3_c0149408_10453334.jpg


なんだか自然とここから先は聖域なんだというのが感じられました。
熊野本宮大社は、古くは「熊野坐(くまのにます)神社」という名で呼ばれていて
熊野三山の中心で、全国に3000以上あると言われる熊野神社の総本家。
そして、熊野本宮大社が、熊野信仰の中心であり、熊野詣のすべての参詣路は
この熊野本宮退社を目指しているそう。それから熊野川を下って速玉(はやたま)大社、
那智(なち)大社へとめぐるのが、熊野詣での昔からのコースだったそうですよ。

さて、入ってすぐに目に付いたのが、この真っ黒なポスト

熊野古道を歩く その3_c0149408_10485258.jpgこれは八咫ポストといい、ポストが黒い意味は
全ての色を合わせた尊い色で、神の遣いである八咫烏の色でもあり、本宮の大地を象徴する色でもあるからだそう。八咫烏についてはまた後でお知らせしますね。


















そして、こちらが拝殿です。

熊野古道を歩く その3_c0149408_111675.jpg


その隣にあるのが、御神門

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アップで・・・・・

熊野古道を歩く その3_c0149408_1111389.jpg


ここから先は、聖域のため、写真撮影は禁止されています。
御神門をくぐると、檜皮葺きの古色蒼然とした社殿があります。
向かって左から第一殿・第二殿の相殿(あいどの)、第三殿、第四殿と3棟並んでいます。
門の正面にあるのが、第三殿でこの第三殿が本社です。
「証誠殿(しょうじょうでん)」といい、主神の家都美御子大神(けつみみこのおおかみ。
家都御子大神(けつみこのおおかみ)ともいいます)を祀っています。

お参りするには、順番があって第三殿、第二殿、第一殿、第四殿の順だそう。
私たちもその順番でお参りしてきました。
ちなみに第三殿は、熊野本宮の主神、第二殿は新宮の主神、第一殿は那智の主神が
第四殿は天照大神が祀られているそうです。

さて、これら四社を上四社(かみよんじゃ)と言い、第五殿から第八殿までを中四社(なかよんしゃ)、
第九殿から第十二殿までを下四社(しもよんじゃ)と言い、1889年の大水害で
中四社、下四社が流されるまでは、先日の記事でかいた大斎原に熊野本宮大社が
あったのだそうです。
水害があった後、残った上四社を今の場所に移したということです。
熊野本宮大社は、第十代崇神天皇六十五年には社殿が創建されたと
いうことですから、大変古い歴史を持っているということになりますね。

そして、こちらが本来の入り口になる大鳥居

熊野古道を歩く その3_c0149408_11382283.jpg


両側に杉木立があり、奥に石段があります。
その石段を登ると正面に、御神門が見えるというわけです。

ところで、あちこちで目に付く八咫烏ですが、これは熊野の大神(素盞鳴尊)のお仕えで
日本を統一した神武天皇を大和の橿原まで先導したという故事に習い、
導きの神として厚い信仰があります。
日本の歴史における八咫烏の出現は古く、『古事記』や『日本書紀』まで
遡ることが出来るとか。

「八咫」とは大きく広いという意味で、太陽の化身で三本の足があります。
そして、烏の体は太陽を、三本の足はそれぞれ天・地・人を顕しているそう。
天とは天神地祇のことですなわち神様のこと。地とは大地のことで私達の住む自然環境を指しています。
つまり太陽の下に神様と自然と人が血を分けた兄弟として存在しているのだと云うことを
二千年前に示していたというのですから、驚きですね。


3回に渡る旅日記を読んでくださってありがとうございます。
歴史は、昔から苦手でしたので、間違っているかもしれません。
その時は、遠慮なく仰って下さいね。





参拝道である熊野古道を歩き、熊野詣でも出来て、満足な旅となりました。
無事に・・・・と付け加えたいところなのですが、もう少しで本宮に到着という所で
丸い石を置いた石段を下りる際に、足をぐねってしまい、帰りのバスの中では
じんじんと痛む始末、電車に乗る紀伊田辺の駅に着いた時には
足を地面に着けないほど、痛みが酷く、姪っ子に薬局で湿布薬を買って着てもらいました。
幸い湿布を早くしたのがよかったのか、翌々日には痛みも引き、回復しました。

軽いコースでしたが、トレッキングシューズを履いて臨んだのに
最後の最後でそんなことになってしまい、自分としてはなんとも情け無い思いでした。
Commented by thallo at 2012-07-12 21:49
こんにちは。
興味深く読ませていただきました。黒いポストのことも、そして八咫烏のことも。最初のポストの上にはその八咫烏がおかれているんですよね?初めて見ました!
そして聖域に入るから写真禁止、すごく賛成です。イタリアでも禁止されてるのに携帯でこっそり撮っている人を見たりするとがっかり。。イギリスではそういう人絶対に見ないのに。。カメラに夢中になるよりもしっかりお参りして、昔への思いを馳せたいですよね。

タワラジェンヌさん、足の具合はいかがですか?
ちょっとのコース、と言えど坂があったり足場がなれないとどうしても疲れやすくて足には負担がかかりますよね。お大事になさってくださいね!

p。s。今日から娘は夏休み!大切な行事もすべて終わり(受験戦争は始まりました。。。)ちょっと肩の荷がおりました。ブログの時間も作れそうです。
Commented by pinky at 2012-07-13 23:12 x
タワラジェンヌさ~ん!
本宮を前にして、足を痛められただなんて!
お加減はいかがですか?
お見舞い申し上げます。
これは、もう一度旦那様と来なくてはいけませんというお告げなのかもしれませんね。
どうぞお大事になさってください。

ところで、八咫烏由来のポストまであるとは知りませんでした。

八咫烏は本サッカー協会のシンボルマークで、サッカー好きの我が家では、とても身近に感じる存在なんです。
息子たちは、ずっと少年サッカークラブに所属していて
夫はサッカーの公式審判の資格を持っていて、審判のユニフォームには
この八咫烏のワッペンがつけられているのです。
昔カラスは真っ白で、とてもおしゃれだったので
フクロウの染物屋さんが何度もいろんな色に染めるうち
真っ黒になったというお話を思い出しました。

そうそう、もうひとつタワラジェンヌさんとの共通点を発見です!
私も学生時代、歴史が好きではなかったんです。
今から思えば、映画になるような面白い話題から入ってくれてれば
もっと面白く学べたんじゃないかと、先生のせいにしていま~す。
Commented by tawrajyennu at 2012-07-14 15:27
★おごしゅさん
こんにちは!
やっぱりおごしゅさんからのコメントがあると、いいなあ~

興味深く読んでもらってありがとう!
黒いポスト、最初見たときはぎょっとなったけど
意味が分かるとなるほどって納得できますよね。
八咫烏・・・・私も聞いたことはあってもよく知らなかったんですよ。
なので、今回色々調べて「導きの神」と分かってちょっと
からすのこと、見直しました。
聖域の入るから写真禁止って日本では初めて経験しました。
スイスでも、何回か写真禁止を経験しましたよ。
マナーは守らなくちゃね。

はい、おかげさまで足はすっかりよくなりました。
3人の中で一番歩き慣れているはずの私が捻挫するなんて
心に油断があったのかも!!
もう夏休みに入ったのですね。オリンピックもあるし
楽しい夏休みを過ごして下さいね。
Commented by tawrajyennu at 2012-07-14 16:31
★pinkyさん
そうなんですよ~あと少しというところで足を捻挫してしまいました。
そのときは、あまり痛くなかったし、普通に歩けたので
たいしたこと無いと思っていたところ、バスに乗っている間に
痛くなってきて、遠路帰らなくてはならないのにどうしようかと
思いました。
でも、早くシップをしたせいか、ひどくならずに済みました。
ご心配頂き、ありがとうございました。

サッカー協会のシンボルマークに八咫烏が使われているのは
知っていましたが、何故なのかなと思っていました。
天武天皇の故事に習い、よくボールをゴールに導くようにとの
願いが込められているんですってね。
ふくろうの染物やさんの話は絵本になってますね。

え~?pinkyさんも学生時代は歴史が苦手だったんですか?
苦手な分野でも自分の好きなことにからめて学ぶと面白いですよね。
ますます、pinkyさんが身近に感じられて嬉しくなりました。
by tawrajyennu | 2012-07-12 13:04 | おでかけ | Comments(4)

大阪の中心地から電車で30分もかからないところに住んでいますが、周りは何故か田んぼに畑・・・・『トカイナカ』都会に近い田舎に住むタワラジェンヌな私の日常を綴っています。


by tawrajyennu
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